材料開発の分野に”MI”という考え方が徐々に広がりつつあります。
MIとは、Materials Informatics(マテリアルズ インフォマティクス)の略であり、日本語でいうと材料情報科学ということになりますが、AIやビッグデータの技術を駆使して材料開発を行おうとするもので、「材料開発におけるDX」のようにも言われており、既に実績も出始めています。
こうなってくると、材料開発の方法論は大転換します。人間には思いついたり辿り着くのが非常に困難な材料を実現できるだけでなく、開発時間の大幅短縮や開発成功確率の大幅向上が期待されます。
うかうかしていられないのは、日本がAI分野において先進国とは言えない状況ではないかと思われますので、材料技術大国としての日本の地位も、AI先進国のアメリカや中国が席巻し、日本は今後益々遅れをとってしまう可能性も高いと考えられるからです。
やはり日本の材料メーカーも早急に、これまで以上に、MIを意識し活用しなければならないでしょう。しかし越えなければいけないハードルは高そうです。
当社としては、現状はあまりに無力で遠い道のりではありますが、このような状況を年頭に置きつつ、将来に繋がる新材料プラットフォームを少しずつでも具体化して行きたいものだと考えています。